「顔」って?

全ての生物に「顔」はあるのだろうか? 貝やヒトデ、カイメンなどには顔らしきものはない。もちろん、植物には顔はない。
顔はどうやら、ある程度高等な動物、それも一定の方向に動くものがもつ特徴といえそうだといわれています。
ではなぜ、顔はからだの前の方にあるの?
動くことのできない植物は、自分の体の中で生きていくためのエネルギーのもととなる物質を作り出すことができます。
それに比べると動物は、他の生物からエネルギーの元を奪いとるために口のある方向に移動するようになったのだそうです。動く方向が前となり、食物であれ外敵であれ、一番最初に接する場所のために目や鼻といった感覚器官が集中し顔ができあがったというわけです。目や口がついて食べ物を口から取り込んで生命の維持と生存の可能性がさらに広がったのです。
顔を発達させたシステムが二つあって、エネルギーを得るために食物を体内で使える形に分解する「消化」。消化したものを燃やしてエネルギーを取り出すための「呼吸」です。まず口で食物を砕くために歯が生えてあごと、かむためのそしゃく筋ができ、呼吸に必要な酸素の取り入れ口として鼻がある。
脊椎動物の祖先にあたる動物は、五億年以上も前に海中で誕生したと考えられています。感覚器官である「目」、「鼻」、「耳」は、原始的な魚の段階からすでにあったと言われています。
脳で支配されるこれらの器官は、高等な脊椎動物には変わらず存在し続けています。
また顔には、顔面筋があり表情筋ともよばれ、皮膚を動かして表情を作っています。しかし本来は口や目といった開口部を守る働きもあるが、食物を見たり、かみ砕いたりするための助ける働きもあります。
顔はよく似ていても、全く同じの顔はありません。ご自分の顔は誰もがまねることのできないご自分だけの顔です。大切にしましょう。